第2次地域農業振興計画
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−19−大雪による被害 都市農業振興基金は、平成16年度より研究会・審議会を立ち上げ議論を進め、活用について策定してきました。 現在、20億円の原資を確保しており毎年運用果実を農業振興に係るものとして、充当させています。 さらには、農業経営のリスク回避として緊急を要する場合には、基金を取り崩し農業支援が行える規定となっています。 昨今では平成23年3月の東日本大震災をはじめ、平成26年2月の豪雪による大雪被害・降雹・台風といった自然災害が多発しています。また、原油価格高騰に伴う重油・農業生産資材の高騰も、国際情勢ではいつ引き起こされてもおかしくない状況です。 緊急事態が生じた場合、現在では対策会議を招集した中で、見舞金の支出・重油代金の補填といった支援策を講じてきました。今後は農業経営を逼迫する事態を想定し、迅速に基金が活用できるよう、体制を整備します。 都市農業の定義では、市街化区域内農地は都市計画上「農地」として位置付けられていませんでした。よって、固定資産税・相続税等の過重な税負担・農業施策が限定的といった要因が、都市農業振興の妨げとなっていました。 当JAでも、上記事項の改善に向けて再三行政に要望してきましたが、状況は好転しませんでした。しかし、JA本来の活動である新鮮な農産物の供給、農業体験の場の提供を通じ、農地の持つ多面的な機能を含め市民に対して都市農業の理解促進事業を展開してきました。 そのような中、人口減少や高齢化の進展に伴う都市農地の開発力低下、東日本大震災を契機とした都市住民の防災意識の高まり、農作業体験の希望者増加・直売所を介した生産者との交流といった社会情勢・都市住民意識の変化により、都市農業振興に向けての機運の高まりを見せ、平成27年4月に都市農業に従事する者全てが念願であった「都市農業振興基本法」が成立しました。 都市農業振興基本法は、下記の3点を基本理念としています。1)都市農業の多様な機能の適切かつ十分な発揮と都市農地の有効な活用及び適正な保全が図られるべきこと2)良好な市街地形成における農との共存が図られるべきこと3)国民の理解のもとに施策が推進されるべきこと 今後、この基本理念に基づいた都市農業振興計画を地方公共団体が策定し、JAのような農業団体は、基本理念の実現に取り組む努力をすることが責務となっています。 当JAは、過重な税負担解消および都市農業持続に向けた効果的施策を都市農業振興計画に盛り込むべき働きかけを実施し、組合員の皆様が今後も安心して農業経営が行える環境づくりに寄与します。9.都市農業振興基金の活用(1)農業生産資材の高騰・自然災害時による10.政策提言(1)都市農業振興基本法関連事項・税制問題基金の活用について

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