第2次地域農業振興計画
29/72

−26−Ⅵ.都市農業の課題1.高騰する税制度に伴う逼迫した農業経営2.農業従事者の高齢化および農業後継者の減少3.生産量の向上 農業者の生産量向上を目的に、組織・地区毎に土壌分析や先進地の視察、講習会を行い、質の向上と収量を増やすための技術を学んでいます。 また、全農・種苗会社等と連携し、資材・農薬・肥料等の情報提供を展開し、農業者の協力のもと、神奈川県・川崎市と連携して新品種の導入に取り組んでいます。 さらに、平成27年度より農業者のもとに出向く専任担当者のTAC(とことん会ってコミュニケーション)システムを導入し、当JAの営農技術顧問と定期的に巡回し、病害虫の被害や農薬の使用法等を指導するとともに、収量を増やす技術を伝授する等、幅広い視野から農業者の所得向上に向けた支援に取り組んでいま 市内農業者・農地の減少の最大要因は重い税負担です。市内のような都市部で相続が発生した場合、市街化区域内の農地が多いため、大半のケースでは農地を売却しないと相続税を納付できない状況であり、毎年課される固定資産税が農業経営を更に圧迫しています。 「都市農業振興基本法」の成立により、都市農業の在り方と意義を見直されたことは大きな一歩と言えますが、今後は国・県・市がこの法律に則って市内農業の実態に即した計画を立てるよう要望し、注視する必要があります。 市内農業の最大の課題は、農業従事者の高齢化です。平均年齢は年々上昇していて、農業中心の世帯では65歳を超えています。要因は、農業の低い収益性や新規就農者の減少が挙げられます。 都市部の兼業農業者は、農業収入以外に不動産・事業収入が多く生活基盤が安定していますが、それでも後継者がいる兼業農家は半数に及びません。 セレサモス開設に伴い、農家所得の向上・遊休農地の減少・営農意欲向上に伴う後継者の増加等の効果は表れています。今後当JAでは、特に販売面等を強化し農業所得向上を図り、農業の魅力を発揮します。す。4.付加価値の高い農産物生産の研究 付加価値の高い農産物生産を支援する為、各関係機関と連携し、神奈川県の「かながわブランド」・川崎市の「かわさきそだち」等、市内農産物のブランド化を図っています。 品目によっては独自のブランド化も行い、多摩川梨や宮前メロン等は、贈答用として県内外に提供し、またメディアを活用して宣伝をしています。 さらに、市内の伝統野菜である「のらぼう菜」は川崎商工会議所と連携し、クッキー等の加工品の商品開発を行い付加価値を高めました。さらには、セレサモスを活用し、加工品生産にも取り組んでいます。 最近では、市内産農産物を使用したジェラートを試験的に販売し、農産物の高付加価値化の研究に取り組んでいます。5.市内産農産物販路の拡大 現在の販路は、大きく農業者個人での販路確保とJA関係による販路確保に分かれています。 今後の販路拡大には、市内産農産物の生産量を加味したなか、従来の販路と重複せずに継続的な販売が可能となる新たな販路確保が課題です。6.生産資材の安価提供 当JAの農業生産資材価格は高いとの意見がある中、近隣ホームセンター等の市場調査・分析を行う等「生産資材コスト低減対策会議」を開催し、系統外仕入れ「新規開拓」や系統内での一括仕入れによる価格の安価提供を実施しています。  具体的には、被服資材「フレンド」を仕入れ、系統内での同等品よりも安価で提供、また系統内では「黒マルチ」をある一定以上の数量を一括で仕入れるなどコストを抑えた中での安価提供を実施しています。 その他、資材店舗において毎月売れ筋商品を厳選した中で「超お買い得商品」として特売や毎月第3土日に全品5%引き・年2回のセールの実施による安価提供なども行っています。 今後は、農業者(利用者)のニーズおよびマーケット調査を徹底し、状況を把握した中で効率の良い対策を講じていく事が課題です。

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る