第2次地域農業振興計画
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−28− セレサモス売上上位でセレサモスにほぼ毎日出荷し、多い日は3回訪れることもあります。セレサモスの状況を把握していることから、他の出荷者と栽培時期をずらし、安定供給に努めています。他者の出荷品を見ることは、パッケージや陳列方法の勉強になります。直売所を経営していた経験から、直売の苦労を認識しており、栽培に専念できるセレサモスは省力化につながりました。志村 健二さん森 清行さん井上 広基さん小泉 富生さん・   ふさ代さん武笠 康浩さん新堀 智恵子さん・ 智史さん持田 高弘さん品目:野菜・カキ・ナシ品目:トマト・ブロッコリー・キャベツ 施設トマトを中心に、顧客のニーズを考えながら新品種を取り入れつつ品目を選定し、現在では60種類を栽培しています。インターネットだけでなく、種苗会社からの試験栽培の依頼を受け入れ、最新の情報を仕入れています。森さんが2008年に市内で初めて栽培したロマネスコは、現在では市内でも定着しました。新品種は、なじみの品種と混ぜて袋詰めすると購入につながります。 出荷先は庭先での自動販売機・セレサモス・スーパーです。当初は対面販売でしたがライフスタイルの変化に合わせ、自動販売機を導入しました。 今後は選択と集中を行い、施設の増加や品目の変更を視野に入れ、農業所得を増やします。品目:野菜 多様なニーズに応えるため年間約100品種の野菜を生産し、柿生野菜生産者直売会やセレサモスに出荷しています。とりわけ、熱心に取り組んでいるのが万福寺人参の普及です。 万福寺人参は、昭和7年頃から麻生区を中心に栽培が始まり、昭和29~33年には5ヵ年連続で農林水産大臣賞を受賞する等、「日本一の人参」として有名でした。しかし都市化により生産量は減少し、現在では生産者は井上さん1人です。収穫体験等でPRし、直売所でも人気なので伝統を守り栽培者を増やしたいです。品目:野菜・ハーブ・イチゴ・農産加工品・菓子 富生さんは生協向け野菜、父はセレサモス向けの野菜、息子はイチゴを栽培し、ふさ代さんはハーブ栽培と加工品、息子嫁はイチゴ等を使用した菓子を製造していますが、年2回の長期休暇をとりメリハリをつけています。 「地域住民への理解対策」に力を入れ、年2回「小泉農園フェスティバル」を開催しています。毎回大盛況で平成27年には、農林水産大臣や川崎市長が視察に訪れました。 今後はGAP(農業生産工程管理)を徹底し、新たな販路として農産物宅配会社や海外に出荷したいです。品目:イチゴ・花鉢物 ガーデンシクラメンやポインセチア等はセレサモス、パンジー・ハーブ苗は市場に出荷しています。ハーブ苗は回転率が早く生産性が高いです。相続問題や花鉢物需要の変化から、平成26年にICT(情報通信)技術を導入し、イチゴ栽培を開始しました。JR武蔵溝口駅近くの農地という立地を活かし、量販店への出荷や摘み取りでリピーターを増やしています。 イチゴ栽培の開始に伴い労力が増えたので、援農ボランティアを活用しつつ、加工にまわさず良質なものを作り続けます。品目:トマト・イチゴ 農業者と消費者相互が「地産地〝笑″」できる関係を目指しています。9割は対面販売し、販売時間前から行列ができ、すぐに売切れます。智史さんは神奈川農業アカデミー生の頃から直売を意識し、色合い・収益面からイチゴを専攻しました。以前は60品目栽培していましたが、直売向けに品目を絞り、トマトとイチゴをメインに45品目を栽培しています。トマト栽培ハウスは、スマート農業を採用し、ICT(情報通信)技術で生産効率を高めています。智恵子さんは食育ソムリエ、智史さんは認定農業者を目指し、今後は栽培施設の増設を視野に入れています。品目:メロン・トマト・ダイコン 宮前メロンをメインに、顧客を確保し品目を絞り、安定した農業経営を行っています。メロンは気候を見ながら水・温度・湿度を調節し、基準より高い糖度16°での出荷を目指し、収穫時期にも配慮しています。出荷は大半が宅配で、7割の方がリピーターです。そのほかトマトを1,500本、メロン栽培地の土壌消毒も兼ねたダイコンを2万本栽培しています。 宮前メロンは、メディアからの取材も多く注目されていますが、3軒しか農家がおらず地元でも手に入りづらいほどの人気となったので、生産農家が増えてほしいです。2. 先進的農業事例紹介

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