第2次地域農業振興計画
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−29− 先代まで米と野菜を中心に栽培していましたが、就農後品目を大きく転換しました。当時小田中地区では栽培されていなかった梨をはじめ、パンジー・エダマメなども同時に栽培する複合経営を展開。異なる品目の繁忙期を鑑み品目を選定し、効率的な栽培方法を確立しました。 また、それらのほとんどを自身の直売所で販売することにより地元でのリピーター獲得、さらに小学校や幼稚園で食農教育を行うなど、地域に根ざした農業を続けています。品目:ナシ 他業種の方と交流し多様な視点を取り入れています。 例えばナシの花が咲く時期にナシ畑でコンサートを行い、近隣住民の農業への理解をひろげています。ホームページには、栽培情報だけでなく、農家の歳時記等農業に興味をもってもらえるような内容を心がけて掲載しています。小学生への食農教育では、花から実になるまで毎月指導を行い、病気や虫・農薬から農業機械の危険性も含めて教えています。 一恵さんは農産加工品(ナシジャム・マーマレード)の製造に取り組んだ経験を活かし、農家・農村地域に受け継がれてきた生活技術の伝承者として「ふるさとの生活技術指導士」に認定されています。指導士組織の活動は、交流が少ない地区外の農業者との貴重な情報交換の場です。品目:ナシ インターネットの普及で全国にお客様が増えました。「多摩川梨の美味しさを全国の方に伝えたい」とホームページに「美味しい多摩川梨・ブドウ」と謳った以上「責任をもって美味しいナシ・ブドウを届けなければ」と品質第一を心がけています。 一方、大好きな対面販売では、顔の見えるお客様づくりで楽しめる生産・販売をさらに拡大できるよう、短期に収量を増やすことが可能な「盛土式根圏制御栽培(既存の土壌の上にシートを張って土を盛り、苗木を植える)」を導入し、直売所・ネット注文の需要・信用に応えられる生産者を目指しています。品目:ナシ・ブドウ・ミカン 高品質なナシで平成25年に農林水産大臣賞を受賞し、高級スーパーにも出荷しています。就農時から、梨農家の後継者で勉強会を行っています。一般的な講習会とは異なり指導者はおらず、後継者同士で疑問を共有し問題解決するため、質問がしやすい環境が強みです。剪定の方法や病害虫の情報交換だけでなく、体を使って勉強会メンバーの梨棚の新設も設置することも行って、各人の梨棚の修繕に役立ちます。今後は、従業員の育成も視野に入れ、安定的に高品質な梨を生産していきます。品目:ナシ・パンジー・エダマメ品目:養豚 市内唯一の養豚農家で、年間1,400頭を飼育しています。 より付加価値の高い上質な豚肉を生産するため、化学飼料は一切使用せず食パン与えています。機械化をすすめパイプラインを導入し飼料をヨーグルト状にする事で、省力化も図っています。 また、徹底した防疫衛生管理環境で安全で安心な豚肉を食肉市場や加工業者を通してセレサモスで販売するなど、6次産業化にも取り組んでいます。 さらに、JAを通し、他業種の方と情報交換を行うなど、代々続く養豚業を守りながら、消費者に満足してもらえる商品作りを目指しています。品目:鶏卵 自然光を遮断し、ニワトリの発育や産卵に影響をおよぼす日長時間を調節する人工照明を効果的に行えるようにした、ウィンドレス鶏舎で、2,000羽を飼育しています。これにより、音・羽の飛散防止、鶏インフルエンザ・臭気対策等、環境・近隣への配慮を徹底しています。味にもこだわり、餌に栄養剤3種類を混ぜており、黄身の色が濃く臭みがありません。以前出荷していた卵問屋の廃業をきっかけに、セレサモスに出荷したところ、収益が向上しました。その他、自動販売機2箇所で販売し、地域の方々に新鮮な卵を提供しています。品目:禅寺丸柿ワイン 禅寺丸柿は2007年に国の登録記念物に指定されました。平成7年に発足した禅寺丸柿保存会では、毎年多くの方々の協力によりワイン用の柿を収穫して5,000本の製造を目標に取組んでいます。年により、量・味等同じものは実らず、ワインが出来上がるまで気が抜けません。 子供達にも禅寺丸柿の美味しさを知ってもらおうと地元の小学生に他の柿との味比べ等を行い、禅寺丸柿をとおした食農教育のほか、一斗缶の稲づくり、脱穀は古来から現代までの機械を体験させ、籾摺り、米を炊き味わう等の食農教育にも取組んでいます。持田 正さん・ 一恵さん小林 明正さん白井 正壽さん鹿島 連さん森 一彦さん関 正義さん水野 英雄さん

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