以前は収穫した野菜を対面でも販売していましたが、現在はスーパーへの出荷や自宅前の自動販売機で24時間販売しています。「品出しの際のお客様からの美味しかったという声や、ふれあいがやりがいです」と笑顔の恵美子さん。結婚を機に就農し21年目になりますが、園芸関係の学校を卒業し種苗会社に勤めるなど、就農前から園芸に興味があり現在も固定概念に囚われず新しい品目にチャレンジしています。こうした日々の作業からJAに対しては販売資材や肥料などの購買品の安価提供や、人手の手配に関して期待する声をいただきました。 今後の目標については「絶えず消費者の動向やライフスタイルに合わせて新しい農業経営に挑戦している夫についていきます」と話す恵美子さん。「市場出荷の時代は男性が主役だったかもしれないが、現在のかわさき農業のスタイルは女性あってこそ成り立っていると思う。苦労をかけたけど、おかげで今がある」と隣で清行さんはほほ笑んでいました。 「若手で何か新しい活動を」と平成30年6月に結成した「畑から、台所へ。」。現在は井上広基さん、飯草純さん、安藤圭太さん、安藤朋彦さん、市川雅貴さん、市川悟さんの柿生野菜生産者直売会の2代目、3代目の若手農業者6人で、マルシェでの販売やスーパーなどへの出荷を中心に活動しています。 もともと直売所運営のノウハウがあり、マルシェ出店やグループでの活動はスムーズに対応できました。若い世代や麻生区に引っ越してきた方にも気軽に立ち寄ってもらえるよう、衣装やレイアウトをゼロから考案し、YouTubeなどの広告宣伝にも力を入れています。最近ではマルシェでの彩りを意識した栽培に挑戦するメンバーもいるとのことです。 リーダーの井上さんからは「グループで活動することで、バリエーションが増えてできることが広がった。最近は多くのお話をいただけるので調整が大変です」とうれしい悲鳴もあがっており、メンバーからは、広報活動や場所のサポート、栽培の支援などJAに対しての期待の声をいただきました。 今後について各メンバーは「アットホームな環境を継続させて消費者と近い存在になれれば」「地元での活動を増やしていきたい」と地元麻生区を中心に地産地消を広げる想いを語りました。 女性農業者の活躍 3人の子の母である森恵美子さんは、日頃の家事をこなしながら夫の清行さんと義父の幸男さん、義母の孝子さんの4人で家族農業を営んでいます。恵美子さん清行さんご夫婦は施設栽培や収穫、幸男さんは露地栽培、孝子さんは荷造りサポートと、あうんの呼吸でできた役割分担で1.6haの農地で約40種の野菜を栽培しています。 結婚当初は畑の場所や人の名前を覚えることに苦労しましたが、清行さんと一緒によく畑に出たことで早く地域に溶け込むことができました。10 若手農業者の取り組み畑から、台所へ。森 恵美子さん
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