第3次地域農業振興計画
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実務の修練を通じた高度な農業技術の習得をはかり、営農指導ならびに農業経営の「専門家」としての育成に早期に対応するなど、営農指導担当職員の計画的な育成を柱に据え、営農指導体制の強化を図ります。 さらに付加価値の高い農産物を生産するために、市内関係機関との連携を一段と強化する他、JA研究圃場における試験栽培などを通じて新品種・新技術の導入をサポートします。 市内の農業経営は、後継者不足や営農環境の変化などを起因として、担い手不足が深刻化していることから、新規認定農業者数の増加に向けた支援に積極的に対応するとともに、令和2年度から本格的な取り組みを開始した援農ボランティアの育成と営農支援活動を通じて、課題の解決に取り組みます。 また「かわさき農業」の安定的な振興を図るため、近年多発する有害鳥獣による食害、気候変動や異常気象の影響を受けた自然災害への効果的な対応策を構築する他、農業者1人1人のニーズに沿った営農関連資金の紹介や農作業受託ならびに農機貸出などの各種支援制度の積極的な活用を推進します。さらに新設したコンサルティング部署との連携を通じて決算書データに基づく経営分析を実施し、多角的に農業経営全般への課題解決と支援に取り組みます。 市内産農産物の販売拠点であり、「かわさき農業」の情報発信基地でもある大型農産物直売所「セレサモス」の売上は、生産者の農業所得の向上に寄与することから、専門家を交えた店舗環境のリニューアルや各種媒体を活用した効果的な広報戦略の展開、出張販売の見直しを行い、生産者と消費者の双方にとって魅力ある店舗運営を通じて販売力の強化を図ります。 また、市内産農産物のブランドである「かわさき農産物ブランド品」制度の在り方を見直し、農業者・消費者双方に魅力のある市内産農産物としての新たな付加価値を創造することでさらなる地産地消の推進につなげます。 さらに、地産地消の原点とも言える個人・団体の各直売を支援するとともに、市内産農産物の販路拡大に向けて、「生産者」と「消費者」が共存する川崎の特性を活かした新たな販売・流通体制を構築します。 都市農地は農産物生産の基盤であることに加え、地域住民の生活や安全にも必要不可欠であることから、「持続可能な都市農業」を確立すべく、農業者からの要望や課題を反映した農政活動を展開します。 また、本計画期間中に生産緑地指定後30年が経過する2022年を迎えることから、農業者に対して都市農業関連制度の迅速かつ的確な情報提供を行う他、市内生産緑地情報をデータベース化することを通じて当JA内で共有を図り、農業経営に関するさまざまな相談業務への活用を進めます。併せて、市内4地区に所在する農業振興地域においては、地元農業者の意見を反映し地域の特色を活かした地域活性化・貢献策を展開するなど、市内農地の保全と有効活用に向けた取り組みを進めます。 当JAの食農教育プランは平成20年に策定され今日まで運用していることを踏まえ、「かわさき農業」を取り巻く情勢の変化や市民ニーズに適う食農教育プランへの見直しを行います。 また、現在1園を運営している園主主導型体験農園の新規開設を視野に入れた園主育成プログラムを早期に構築する他、市民の農業体験や農業交流機会の場を創出することで「かわさき農業」に対する理解対策を促進し、農業者・市民・地域・JAで一体感を共有した中で、貴重な川崎市の自然環境に調和した「地域と共生する都市農業」を実現します。24Ⅱ.農業経営支援Ⅲ.販売流通支援Ⅳ.都市農地保全対策Ⅴ.農へのふれあい・市民理解対策

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