第3次地域農業振興計画
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生産履歴記帳は、消費者の食に対する安全・安心を担保する取り組みとして認知され、万一の農薬などの事故発生時にも、記帳に基づく迅速な対応により被害を最小限にとどめるなど、農産物の安全とJAグループに対する消費者からの信頼性を担保する重要な仕組みです。 当JAでは平成27年度から、品目を限定した中で試験的に生産履歴記帳支援システムを稼働し、平成30年度よりラベル発行機の連動に向けて主要品目の生産履歴記帳用紙の提出依頼を行いました。また、令和元年度より本稼働し、出荷する農産物に生産履歴記帳用紙の提出を義務付けたことによって食の安全・安心を担保し、精度の高い生産管理を行うことが可能となりました。 現在モバイル版の利用率は出荷登録者数の約25%ですが、出荷者の労力軽減につながることから、さらなる利用率向上に向けた周知および利用推進活動を行います。 食の安全・安心に対する消費者の関心の高まりや国産農産物の輸出の増加、インバウンドの急増やSNSなどの発達により情報やサービスが地域を超えて拡散し、食に関係する事業者に対しての世間の目はますます厳しくなっています。このように、食を取り巻く環境が大きく変化している現状を踏まえ、衛生管理についても各段階で切れ目なく実施することが必要です。 各業態別組織の講習会を通じて、総合的病害虫管理(IPM)に関する理解および活用促進を図り、生産現場における天敵製剤による生物的防除、光質利用による物理的防除、耐病性品種による耕種的防除を活用した病害虫を減らし、農薬の使用削減につながる環境に優しい新たな防除体系の構築に取り組みます。 また、現在も実施している性フェロモン剤・防除ネット・天敵製剤 当JAでは、平成30年度より国内外における農業生産の各工程の記録や点検、評価の項目を基にした独自の「生産者のための農作業安心・安全チェックシート」を作成し、生産工程管理の徹底とGAP(農業生産工程管理)の周知活動を展開しています。 今後は競争力の強化、農産物の品質向上、農業経営の改善および効率化の実現に向けて、周知にとどまらず事務手続きをはじめとした農業者のGAP認証に係る支援に取り組みます。 また、平成30年6月に食品衛生法等の一部が改正され、令和2年6月に全ての食品等事業者はHACCP(危害分析重要管理点)に沿った衛生管理が求められることになりました。それに伴い、現在セレサモスでは搬入・陳列・販売・保管・引下げの各工程での衛生管理計画を作成しています。今後もその実施状況について記録、確認を行い、より高い安全・安心を意識した衛生管理に取り組みます。生産者のための農作業安心・安全チェックシート総合的病害虫管理(IPM)の理解促進に向けた講習会29②生産工程管理の徹底③環境保全型農業の推進3.具体的取り組み事項Ⅰ.生産振興支援(1)安全・安心な農産物の供給①生産履歴管理に伴う安全・安心な農産物の提供第3部 〜JAセレサ川崎の都市農業振興戦略〜

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